空想機械設計図鑑
No.039 · 1926 · 夢野製作所

時差振子機

Pendule d’Écart Temporel

わずかな時間の、もうひとつの可能性。

時間・計測架空技術資料設計図
時差振子機 全体設計図

数秒から数分の「時のずれ」を意図的に作り、時計や観測装置の校正実験に使うという架空の振子機。時間旅行ではなく、同じ一分を少しだけ速く、あるいは遅く測るための機械である。

「わずかな時間の、もうひとつの可能性。」

来歴

精密時計師たちの実験用に一台だけ作られたという設定。公開実験では観客全員の懐中時計が一致したのに、会場の壁時計だけが七秒進んだため議論を呼んだ。

作動原理

主振子の周期を基準時計と比較し、補償振子と差動歯車で微小な位相差を作る。その差を観測室内の表示系だけへ重畳し、「基準から何秒ずれた世界を見ているか」を擬似的に示す。

主要諸元

全高1,280 mm
全幅760 mm
奥行520 mm
質量約120 kg
時差範囲±300秒
分解能0.1秒
駆動ゼンマイ補助

主要構成部品

  • 主振子
  • 補償振子
  • 差動歯車列
  • 観測筒
  • 基準時計
  • 時差調整ドラム
  • クラッチ
  • 微動ハンドル

組立手順

図鑑内の演出として記述された架空工程です。実機製作を目的としません。

  1. 基台を振動の少ない床へ固定する。
  2. 左右支柱を立て、主振子を中央へ吊るす。
  3. 補償振子と差動歯車列を接続する。
  4. 観測筒を振子背面へ取り付ける。
  5. 基準時計と時差指示計を連結する。
  6. 微動ハンドルを中央位置にして一時間空運転する。

使用方法

  1. 基準時計を正時に合わせる。
  2. 主振子を小さく振らせる。
  3. 時差調整ドラムで目的値を±300秒以内に設定する。
  4. クラッチを入れ、観測筒越しに振子を読む。
  5. 実験後は必ず差を0秒へ戻してから停止する。

保守・手入れ

  • 軸受へ定期的に微量注油する。
  • 振子棒を素手で触らない。
  • 基準時計を月一回外部基準と比較する。

注意事項

  • 実時間を変える装置ではないという作中注記がある。
  • 大きな振幅を与えない。
  • 差を設定したまま時計合わせをしない。
  • 現実の時刻校正機器ではない。

異常記録・備考

  • 装置停止後も一台だけ秒針が遅れ続けることがある。
  • 観測者が二人いると「どちらが先に見たか」の証言が一致しない。

本作は架空の機械・架空の歴史を扱う創作図鑑です。組立・運転手順は世界観表現であり、現実の機械製作・医療・電気・圧力・生物実験の手順ではありません。