No.028 · 1924 · Atelier Moreau
星屑分離機
Séparateur de Poussière d’Étoiles
遠き光を、手のひらに。

夜空から降る「星屑」を巨大集光角で拾い、光の粒、煤状の暗片、流星の残響へと分級する架空の精製機。空に向けた大口径ホーンと何層ものフィルターが、目には見えないほど薄い天体の名残を瓶詰めにする。
「遠き光を、手のひらに。」
来歴
パリ郊外の観測所に置かれたNo.28は、流星群の夜だけ公開運転されたという。観客には空瓶を見せてから一時間後に「微かに光る塵」を配布したが、それが本当に星から来たものかは最後まで証明されなかった。
作動原理
集光角に入った微弱光を銀鏡で一点へ集め、その熱差で生じる極小の空気流をサイクロン分離槽へ送る。帯電性、反射率、残光時間の違いを利用して四系統へ振り分けるという設定。実際には物理学より詩学に近い装置である。
主要諸元
| 全長 | 1,420 mm |
| 全高 | 980 mm |
| 質量 | 約68 kg |
| 集光口径 | 300 mm |
| 駆動 | 手動クランク |
| 処理能力 | 約0.1 g/時(理想条件) |
| 主要材質 | 真鍮・鋼・銀鏡・ガラス |
主要構成部品
- 300mm集光角
- 銀鏡導光筒
- 渦分離室
- 多段微粒子フィルター
- 残光計
- 手動クランク
- 試料瓶ラック
- 銘板・方位環
組立手順
図鑑内の演出として記述された架空工程です。実機製作を目的としません。
- 架台を南北線に合わせて固定する。
- 集光角と導光筒を取り付け、鏡面に指紋を付けない。
- 分離槽を水平器で調整し、出口4系統を瓶ラックへ配管する。
- フィルターを粗目から細目の順に装着する。
- 残光計を暗箱内でゼロ点調整する。
- クランクを空転させ、各瓶へ同量の気流が来ることを確認する。
使用方法
- 月明かりの少ない夜に集光角を天頂付近へ向ける。
- クランクを一定速度で回し、30分間吸引する。
- 残光計の針が振れた区間だけ採集弁を開く。
- 運転終了後、四本の瓶を順番に外す。
- 瓶底へ沈んだ粒子を暗所で観察し、発光の有無を記録する。
保守・手入れ
- 銀鏡は柔らかい布で乾拭きする。
- フィルターは三回運転ごとに交換する。
- 方位環の目盛を半年ごとに再校正する。
注意事項
- 太陽方向へ向けない。
- 湿度の高い夜は分離槽が詰まりやすい。
- 採集量がゼロでも故障とは限らない。
- 架空機械の設定資料であり、天体物質の採取を保証しない。
異常記録・備考
- 新月の夜にだけ青い粒子が採れる記録がある。
- 採集物を枕元に置くと星の夢を見るという利用者報告が残る。
本作は架空の機械・架空の歴史を扱う創作図鑑です。組立・運転手順は世界観表現であり、現実の機械製作・医療・電気・圧力・生物実験の手順ではありません。