No.032 · 1926 · 夢野製作所
霧紡績機
Fileuse de Brouillard
霧を糸に、空を織る。

大気中の霧を大型ホーンで集め、極細の水滴繊維へ整えて布として巻き取る架空の紡績機。完成した「霧布」は数時間だけ形を保ち、日光や強い風で静かに消えていく。
「霧を糸に、空を織る。」
来歴
舞台衣装と温室用遮光幕のために開発されたという設定。実用性は乏しかったが、朝だけ存在して昼には消えるカーテンとして富裕層に珍重された。
作動原理
捕集ホーンで吸い込んだ霧を凝縮塔で均一粒径に揃え、帯電ノズルで細い列へ並べる。微量の天然樹脂を核にして水滴列を束ね、冷却ローラーで薄布へ成形する。
主要諸元
| 全長 | 2,350 mm |
| 全高 | 1,900 mm |
| 質量 | 約420 kg |
| 布幅 | 300 mm |
| 紡糸速度 | 300 mm/時 |
| 適正湿度 | 85%以上 |
| 主要材質 | 真鍮・鋼・ガラス・布 |
主要構成部品
- 霧収集ホーン
- 凝縮塔
- 湿度調整器
- 紡糸室
- 帯電ノズル列
- 駆動歯車箱
- 巻取ローラー
- 布幅調整枠
組立手順
図鑑内の演出として記述された架空工程です。実機製作を目的としません。
- 基台を防湿床へ据える。
- 凝縮塔と捕集ホーンを配管する。
- 紡糸室へノズル列を等間隔で取り付ける。
- 駆動歯車箱と巻取ローラーをベルト連結する。
- 布幅調整枠を出口側に固定する。
- 湿度を高めた状態で短時間の試運転を行う。
使用方法
- 外気湿度が85%以上の朝に捕集を開始する。
- 凝縮塔を冷却し、霧粒を均一化する。
- 紡糸室へ天然樹脂液をごく少量供給する。
- ノズル列を開き、巻取ローラーを低速で回す。
- 布が30cm以上成形されたら幅を調整する。
- 完成布は密閉箱に入れ、日陰で使用する。
保守・手入れ
- 凝縮塔の水垢を毎週除去する。
- ノズル穴を細い柔毛ブラシで清掃する。
- 巻取ローラーを乾燥させてから保管する。
注意事項
- 乾燥時は無理に運転しない。
- 霧布へ重量物を吊らない。
- 密閉箱の中でも数日で消える設定。
- 現実の高電圧紡糸装置の製作指南ではない。
異常記録・備考
- 海霧から作った布は塩の匂いを残す。
- 月夜に作った布には薄い虹色が出る。
本作は架空の機械・架空の歴史を扱う創作図鑑です。組立・運転手順は世界観表現であり、現実の機械製作・医療・電気・圧力・生物実験の手順ではありません。